FUJISAKI MASAE
国語課、出版課を経て、道徳課へ。現在は同課の課長・編集長として、小中学校向けの道徳教科書や教師用指導書の編集、デジタル教科書の作成などを担っている。日々心掛けていることは、目の前の相手の声をしっかりと聞き、自分の考えをできる限り丁寧に伝えること。
私が当時、光村図書への入社を希望した理由と、今もこの仕事を続けている理由とは、何ら変わりありません。それは、明るく輝かしい未来に向かって生きていく子どもたちのために、何かをしたかったから。自身の手掛けた教科書が、子どもたちの手にわたり、そしてその子どもたちが、これからの社会や世界をつくっていく──。そう考えただけでも、ワクワクしてきませんか?その気持ちはずっと変わりません。教科書づくりという仕事は、1から100まで“子どもたちのため”のものですから、こんなにやりがいのある仕事はないと思っています。
ただ一方で、教科書という存在は、気をつけなければ子どもたちにとって、凶器にもなりうるものだと考えています。なぜなら、子どもたちは、基本的に知らない大人たちが選んだ教科書を使うしかないからです。だからこそ、万が一にも、当社の教科書に子どもたちの心が傷つく内容や、悲しい思いをする内容があってはならない。そういう意味では、大きなやりがいと共に責任も求められる仕事です。
私は現在、道徳課の編集長を務めています。道徳という教科を、子どもたちが楽しみながら・悩みながら学べる教科書をつくるというゴールに向けて編集方針を立て、一人一人考えの違う課員をまとめていくことが編集長の主な役割です。
特に心に残っている経験は、道徳の教科化に際する初の教科書づくり。当時の私は、教材づくりといっしょに、挿絵・デザイン担当、進行担当をしていました。国語をはじめとする他教科には長年積み上げられてきた光村図書のイメージや伝統がありますが、道徳の教科書は、ゼロからの制作。「子どもたちに届けるに足る内容にできるだろうか」と、日々大きなプレッシャーを感じていました。
とはいえ、“新教科の教科書をゼロからつくる”ということ自体、実は教科書会社にいたとしても、なかなか経験できるものではありません。貴重なチャンスをいただき、実際の教科書づくりに携われたことは、今でも自身の糧になっています。その教科書を使った授業を見学させていただいたときには、自分たちのつくったものが、しっかりと子どもたちに届いている姿を目にすることができ、嬉しくて胸がいっぱいになったことを覚えていますね。
光村図書の大きな特色であり魅力とも言えるのが、ある意味で他社を気にすることなく、自分たちが“これが正しい、これでいいんだ”と信じる教科書・教材づくりを貫き続けられることだと思っています。出版業界に限らず、競合他社の売れ筋を後追いするケースは少なくありませんが、少なくとも光村図書では、「あの会社のこれが売れているから真似しよう」「合わせていこう」なんてことを言う人はいません。そういった社風があるのも、自分たちの手掛ける教科書に対し、「いちばんよいものをつくっている」という確かな自負を持っている光村図書ならではと言えるのではないでしょうか。
具体的な制度・福利厚生としては、産休・育休を当たり前に取得できることも魅力の一つだと思っています。そもそも子どもたちのための会社であるのに、社員が仕事のせいで出産・子育てができないなんてことはあってはなりませんからね(笑)。その点では、今後入社する方にはぜひ安心していただけたらと思っています。
10:00
メールチェックやスケジュールの確認など、事務作業を行っています。
10:30
課員それぞれの担当しているタスクの進捗状況などを確認・共有しています。
11:30
進捗に課題がある課員がいた場合などは、スケジュールの調整を行います。
12:00
13:00
教材案について、「どのような内容にするか」「どのように進めていくか」などを検討しています。
14:30
課員からあがってきた原稿を確認し、赤字を入れます。
16:00
デジタル教科書に搭載する資料などのコンテンツについて、担当者と打ち合わせを行います。
18:30
「自分の好きなことを仕事にするのは違う」なんてことを言う大人もいますが、私はそんなことはないと思っていて。嫌いなことを仕事にするよりは、好きなことを仕事にするほうがやっぱり楽しいに決まっています。夢や好きなことを狭く考えず、それらとつながっていることを広く捉えられるといいですね。自分をかけられることを見つけ、そのうえで会社・仕事探しをしてみてください。そして、実際の就職活動や面接では、ぜひその見つけたものを熱く訴えてほしいと思います。その思いは、必ず目の前の相手にも伝わると思います。